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中国語の翻訳会社に関するお役立ちコラム

翻訳の質の向上を可能にする翻訳会社のチェッカー

中国語の翻訳に関わる職業につくことを目標としている方にこそ知っておいていただきたいのが、翻訳会社などが手がける「翻訳物」を陰で支え、仕上がりクオリティの向上を可能にしてくれている翻訳チェッカーや翻訳コーディネーターの存在です。翻訳チェッカーが重要と言われている理由、そして、翻訳チェッカーに求められる適性としてはあげられるものなどについて、くわしくご紹介していきます。

チェッカーは翻訳会社のキモ!?

実務翻訳や産業翻訳などと呼ばれる文書関連の翻訳、書籍や芸術作品に関連するものを翻訳する出版翻訳や文芸翻訳、映画などをはじめとする映像を翻訳する映像翻訳など、厳密には翻訳にもさまざまな種類のものがあげられます。翻訳会社に翻訳を依頼する際には、どのような人々が実際の翻訳業務に関わっているかご存知でしょうか?

翻訳会社には、翻訳業界において主役とも言え、中国語・英語・日本語など、複数の言語の知識に長けている翻訳者のほかにも、翻訳という業務に携わっている多くの専門家が存在しています。中でも、翻訳の質に大きく影響を与えることとなっているのは、翻訳依頼のスケジュール管理・発注先となる翻訳者への依頼管理などの全般を担当することになる翻訳コーディネーターと、翻訳者が翻訳したものの校正や校閲を担当する翻訳チェッカーという、ふたつの職業です。

翻訳コーディネーターは、翻訳物がきちんと期日までに仕上がるか、どのような仕上がりになるかという点でなくてはならない職業となっており、「適材適所」を見極める能力を持っていることが求められますし、業務に関わる人々や各作業の綿密なスケジュール管理をこなす管理能力、視野の広さなどが求められる仕事となっています。

一方で、翻訳チェッカーが担当するのは、成果物となる翻訳物の質を左右するといっても過言ではなく、翻訳物の善し悪しに大きく関わってくる大切な業務。翻訳チェッカーの主な業務としては、文法チェック、スペル・漢字チェック、依頼者側から提供される単語集や表現集などとの相違がないかなど、翻訳物の正否を明らかにするためのさまざまな作業があげられます。

翻訳チェッカーは、全体的な翻訳物の質の向上に貢献するだけではなく、時には、翻訳者の実力以上の翻訳能力を引き出すことを可能にしたりと、まさに、翻訳会社の翻訳作業のキモとも呼べる存在とも言えるのです。

翻訳チェックが大切な理由

翻訳会社が、より質の高い翻訳物を依頼人に成果物として納品するためには、一般的に、翻訳者が翻訳作業をし、その翻訳物を翻訳チェッカーが校正するという流れが取られています。その中で、翻訳チェッカーが担当しているのは、翻訳という作業における「校正」にあたる部分となり、校正作業の中で確認が必要となる部分には、主に次のようなものがあげられます。

翻訳の中で使われている文法に間違いはないか、原文の意味に沿った適切な単語・表現手法が取られているか、訳抜けや誤訳はないかなどの基本的な確認はもちろんのこと、中国語の場合は漢字チェック、英語などの場合はスペルチェックなど、その言語が特徴とするものに基づくさまざまな事項を確認することなども求められます。

しかし、翻訳チェッカーが可能にしているのは、翻訳物に磨きをかけ、その質を向上させることだけではありません。その翻訳物が該当するルールに則って、きちんと翻訳されているかをチェックするという重要な役割を担っています。

例えば、翻訳業務の依頼者側から、単語集・翻訳マニュアル・スタイル(体裁)ガイドなどの何かしらの決まりが指定されている場合は、用語集に基づく表現や単語の使い方が翻訳物全体を通して統一されているかどうか、スタイルガイドに忠実な翻訳物ができあがっているかなどの事務的な目線でのチェックを徹底し、翻訳物が依頼に適合しているかをチェックすることも、大切な業務になります。

そのほか、翻訳の案件によっては、翻訳者が翻訳のために参考資料としたものの事実確認をする作業などが発生することもありますし、数値などのデータの正確性の裏付けを取ることなどが求められる場合もあります。チェッカーの能力や熟練度によっては、翻訳者との密なコミュニケーションを図り、読み手にとってより読みやすく、かつ理解しやすい文章への大幅な修正改善も可能になります。
また、翻訳物が印刷物となる場合は、校正用のゲラの内容やスタイルを確認することが必要になります。

翻訳会社のチェッカーになるのを可能にする適性とは?

当然、翻訳会社の翻訳チェッカーとして活躍していくために求められる能力としては、高い語学能力があげられます。しかし、チェッカーの主な業務となる校正作業においては、確かな語学の知識とともに、訳抜けや誤訳などの人的なミスに気がつくことのできる集中力や注意力、高いコミュニケーション能力やチームワークを大切にできる事務処理能力、スケジュール管理能力なども必要となります。

そして、チェッカーの業務の中では、翻訳者との円滑なコミュニケーションを図ることが、より効率のよい働き方を実現し、レベルの高い翻訳物を得ることにもつながります。そのため、単語の使い方や表現方法などの翻訳に関する提案や翻訳修正依頼などを相手にとって誤解のないわかりやすい文章で表現する力や、微妙なニュアンスの違いなどを的確に言葉で表現することを可能にする表現力を身につけることも大切になってきます。また、はっきりと物事を伝える力、論理的に物事を説明する力なども大切になります。

自分の語学力を過信しないことがよいチェッカーになるカギ

翻訳会社で重宝される翻訳チェッカーとは、高い語学力を持つ人物ではなく、仕事において信頼がおける人物。よいチェッカーであるために心がけたいのは、自分の語学力を過信しないで、常に向上心を持ち続けること。そして、細かなことにも真摯に向き合うという、誰にでも可能なことを意識しておくことが大切です。

言語は、常に進化を続けているものだということを忘れずに、語学勉強に励むことがきっと将来につながるはずです。また、翻訳業界では、翻訳者や翻訳コーディネーターなど、業務に関わる人々が中国語の文化圏出身だったり、異文化圏の人々である場合もあります。

日本での「常識」や「ビジネスマナー」にとらわれずに、国際的な感覚を持って仕事に取り組むことも大切になりますので、教科書や参考書では学べない「経験」からの学習も大切にし、将来のために一歩ずつ進んでみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、翻訳会社で働く翻訳チェッカーについてご紹介させていただきました。日々、さまざまな角度から翻訳物に向き合っているチェッカーの仕事は、一見シンプルに見えますが、実は、とても複雑なもの。だからこそ、仕事を通してやりがいを感じることを可能にしてくれる職業でもありますし、自分の能力を高め続けていくことが可能なや素敵な職業でもあります。将来、チェッカーとして働きたいという目標を持っている方は、語学学習だけに偏った勉強をするのではなく、ぜひ、その言語が使われている文化圏ごと語学を学ぶということを意識して、これからの語学学習に役立てていただければと思います。